日曜日。10:30起床。昨日は興奮のまま夜を過ごし、結局3:00まで目が冴えてしまう。 余分なところは省いて、今日は入場から。チケット発券すると今日は1階12列。上手寄りで前方の列が無く、相当にステージに近い。上手に寄っているのでモニターも近くて大成功の席だった。
17:00にライブスタート。OP映像から白いキャンバスを背景に白いフードを被った詩織ちゃんが映し出され、ペンキでキャンバスを描き殴る演出。ステージの幕全体がスクリーンになっていて、ど迫力に映像を見せる。BGMにかかるのはソロ曲の部分部分をダブステップ風に繋げた「SHIORIture」、メチャクチャにカッコいいステージをやるぞと気迫あふれるオープニングだ。The ももクロイズム。
映像のエンディングで幕が下に落ち、ステージに立つのは白いギターを肩から下げる詩織ちゃん。「HAPPY-END」でコンサートの幕が開ける。ギターをかき鳴らすその姿、長い脚が際立つミニスカート、カラフルな照明とレーザー光線が詩織ちゃんが本来持つ華やかなタレント性とその才能そのものを放出しているようで、まるで往年の森高千里のようなインパクト。観客も大興奮で鳴り響くコールがどんどんヒートアップする。 HAPPY-ENDの後は「ROCK THE BOAT」で会場を揺らしまくり。ロクボを歌い終わると立て続けに難関曲「暁」、SHIORITAMAI12Colorsプロジェクトの始まりの曲である。3曲で会場を最上の空間に仕立てていくその仕掛け、あの気分の高揚、本当に詩織ちゃんは凄かったんだ!と誰しもが思っただろう。
暁を歌い終わると次はアコースティックギターを手にし、「日常」と「泣くな向日葵」を弾き語る。今日のために用意された制御コントロールペンライト。会場をイエローと制御されカラフルに切り替わるペンライトの半々に彩られる客席は何か新しい秩序が生まれている気がした。うん、これは新しい発見だと。ライブ後の感想を見ても、制御ペンライトが加わった美しさを称賛する投稿がいくつも見られた。 特に次の曲「マリンブルー」では切り替わった青のペンライトと黄色のペンライトの2色の組み合わせがとてもよく、その中で詩織ちゃんが伸びやかに歌う姿の素晴らしさ。個人的にはこの曲がやっぱり一番声の乗りがいいと思う。miwaちゃん、マリンブルーを作ってくれて本当にありがとう!
MCもなく、ちょっとした幕間のVのインターバルを挟んでブルーのインクで染まった衣装にチェンジした詩織ちゃんが登場。「Another World」「Eyes on me」「Spicy Girl」とダンサブルなナンバーが続く。ダンサー4人とともにオシャレなダンスパート。合間合間に細かく上着をチェンジし、詩織ちゃんのスタイルはカラフルに変身していく。見ていて本当に楽しめるバラエティに富んだ演出で素晴らしい。 ダンス・チューンなので、とにかく歌は難しい。でも音源とまったく遜色のないボーカルで一歩も二歩も進んだ詩織ちゃんのライブの声がオーディエンスを盛り上げていく。
ダンスパートが終わると再び幕が降り、描いた画を白く塗りつぶす映像が流れる。Vの最後には黄色の円が描かれて幕が上がると、ステージには真っ白なピアノに座る真っ白なドレスを纏った詩織ちゃんが! とにかく美しさに圧倒されてしまう。「Sepia」独唱。目の前で起きている事は果たして真実なのかと、そう思えるほどの際立った美しさ。ここで完全に「詩織ちゃんは今、期待以上の何かを見せている」と会場全体が心を熱くした一瞬だろう。ピアノの演奏にも驚いたが、本当に素晴らしいボーカルだった。
そのままピアノを弾きながら「宝石」を歌ってしっとりとしたシーンを演じきったと思いきや、さらにその衣装のままダンスナンバー「天国のでたらめ」を歌いはじめる。スタンドマイクを前に歌いながら、さらに間奏ではしっかりと踊る。まるで極上のミュージカルのクライマックスを見るような心地。圧倒的な絵力と新しい詩織ちゃんの魅力がヤバい。とにかくかわいい。可愛すぎる。 ここまで14曲。ノンストップで続けられるステージに、詩織ちゃんのそのスタミナと集中力にも驚かされた。
はじめてのMCタイム、ここでサプライズに亀田誠治氏が登場。詩織ちゃんの歌唱力を見せつけるパートに突入する。1曲目は「We Stand Alone」さわやかでエモい歌唱を聴かせたと思えば、間奏でサプライズにサックスを吹く詩織ちゃん。どよめく会場が気持ちいい。 次の「ベルベットの森」ではアタックの効いた非常にユニセックスな声質を活かしたボーカルを聴かせ、まさに「音源超え」の領域。どうだ、ここまで歌えるんだぞとファンまで誇らしげにさせるこのタレント力の凄さである。
そして最後は「Shape」。黒いジャケットに着替えた詩織ちゃんは超難関とも思える激しいダンスをクールに決め、しかも歌っている!というある種、異様なほどに完成されたステージパフォーマンスを見せライブ本編は終了。とにかくスキルの高さがヤバすぎるよ、詩織ちゃんは! 驚きと感動に満ちたライブで、幕が降りた後のアンコールも近年のももクロ現場ではなかなか見られない大きさだ。しーおーりー!しーおーりー!
アンコールはラフな格好にアコギを抱えて、ひょこひょこと歩いて登場。アコギ弾き語りで「…愛ですか?」を今の詩織ちゃんの声にチューニングしたアレンジで歌ってくれた。 実は昨日、ここでどうしても涙を堪えることが出来なくて号泣してしまった。詩織ちゃんに出会って早14年。ここまでの14年間がどうしたって思い出されるその歌声に、今日のステージで見せたそのあまりの成長に感激してしまったのである。 その後、MCに移り、ソロファースト・アルバムと今日のライブBlu-rayのリリース発表。そりゃそうだ。これだけの作品になったんだもの、多くの人に「現在の日本のアイドルはこのレベルのタレントにある」と証明したんだもの。
この後は本当に最後ですって言葉に反して「モノクロデッサン」「走れ!」とももクロ曲が続き、会場全体が全力コールでそれに応える。特にメンバー紹介の最後に「ももいろクローバーZの玉井〜?」からオーディエンスが「しおりー!」で応えて走れ!の最初のパートが始まるという流れはすごく温かくで朗らかで詩織ちゃんらしい演出。とても良かった。
最後はやっぱりこの曲、玉井詩織の代表作とも言えるシティポップ「涙目のアリス」でエンディング。この日一番のコールで会場を黄色で染め上げて「いろいろ」が終了した。
全編通して、そのステージパフォーマンスのクオリティの高さで見せる度胸は本当に現代アイドルの最高峰である事を見せつけるようなライブだった。いつまでもその朗らかさと明るさを失わないキャラクターも凄いが、自分の周りに多くの「一緒に歩いていく人」を作り出す魅力、このステージがいったいどれほどの努力を厭わなかった結果として実現しているのかを言葉ではなくパフォーマンスで見せていくタレント力、そして持って生まれた手足の長さが際立つスタイルと二人といないタレント性を生かす声質を2時間たっぷりと味わえる内容で、こんなん誰が見たって「もう一度見たいライブ!」でしょう。
ソロコンを経て確実に何回りも大きく羽ばたいた印象で、これからはまたメディアタレントとしても活動を再開するだろうけど、その姿もこれまで以上にずっと楽しみになってきた。 最後に描いた地球の姿がとてもやんちゃで愛おしくて優しい。これからの人生、彼女と一緒に歩んでいけば、きっと悪い事にはならないと、そう思わせてくれた2日間だった。 余韻が凄すぎて来週こそ仕事にならないかもしれないが、もっと頑張りたい。それだけは間違いがない。