2024-02-20 奥田英朗「無理」

火曜日。9:30起床。少しサボるとあっという間に1週間だ。
本棚が完成してから、ちょっとお休みをとしている間にもう1週間が経ってしまう。本当に毎日が早い。
去年ストップしたEX案件が完全に無くなったという連絡が入り、現在は最悪の状況である。暗号資産の投資が上手くいっている事が唯一の救いで、このおかげでしばらくショートという事は無さそうだが、本当に困ったものである。
とりあえずグズグズ言っていても仕方が無いので、ここらでクリエイティブの営業がてら、Matiumサイトの制作をしようと思っている。目標は4月頭の公開で、遅れても春の一大事の遠征までには公開したい。

今日は朝起きて、すぐに読みかけの小説を読み始める。奥田英朗の『無理』。今日一日、夢中になって読んだ。
日々、モラルが完全に欠如した生活保護受給者とのコミュニケーションに苦労する30代の市役所職員、インチキ機械を売りつける反社企業で成り上がりを目指す暴走族上がりの若者、東北の田舎の暮らしに絶望し東京での大学生活を夢見る女子高生、新興宗教にハマり来世の幸せを掴もうと懸命に生きる万引きGメンの中年女、親から譲り受けた市会議員のポストと既得権を守る事だけに力を注ぐ支持者とのしがらみにウンザリし県会議員へのステップアップを企む不動産会社の2代目。
東北のある地方の町「ゆめの市」を舞台に、5人のストーリーが平行して進んでいき、それぞれが人生の谷間に落ちていく。同じ著者の「邪魔」も傑作だったが、こちらはさらに主人公の人数も増え、また何よりその人生の「チンケさ」が本当に読んでいて苦しい。

こんなにちゃんと生きている人たちなのに、ちょっとした繋がりや出会い、境遇からどこまでも転がり落ちていくジェットコースター的ストーリーが5人のオムニバスとして進んでいく様がとてもおもしろく、また「ゆめの市」という、現在の日本のどこにでもありそうな町に住んでいる事自体がリスクなのだとリアリティを持って示してくる、恐ろしく、また圧倒的な熱量を持った物語である。

大きなテーマとして『貧困化していく国とはどうなっていく事を指すか』が非常に丁寧に描かれており、貧困とは物質的な豊かさが奪われる事よりも、社会における文化的な豊かさや教養、モラルが根こそぎ奪われる状況に陥るという点を身にしみて実感する。現在の日本が抱えている状況を思うと、悲しくも書かれた時よりも、まさに今こそ本作のテーマが伝わる時代に入っていると痛感できる。
この手のメッセージをこれだけのエンターテインメント小説として読ませるというのは、なかなかに凄い事で、著者の筆力には脱帽。経済学者では出来ない事をするのが作家の使命だとでも言わんばかりの細やかな心理描写と物語世界の精密さがこの小説の肝だろう。
読者は「これからこんな風になっていくのか、やべえな、、、」とストレートに実感出来てしまうことだろう。

仕事が途切れたから、という理由で読んだわけではないが、こうなったら終いだなと感じながら読めた。早めに対処すべく、リスクを減らしながら生きなければと気持ちが締まった読書体験。