2024-03-25 綾辻行人「黒猫館の殺人」
月曜日。6:30起床。順調に生活リズムは取り戻す。
相変わらず、仕事が入らない毎日。少し心が焦りながらも、読書が捗るなあなんて気分で過ごしてしまう。今日は朝から少し3DCGの学習をして、昼前から読書をし始める。
ドラマの「十角館の殺人」を観て、館シリーズ欲が再び起き出す。といっても、先月に「時計館の殺人」を読んだばかりなので、シリーズを読み返す延長でしかないのだが。
という流れで読んだ、館シリーズの第6作「黒猫館の殺人」。相変わらずの叙述トリックがメインのミステリーではあるが、本作は他のシリーズとはちょっと毛色が異なっていて、事件らしい事件はすべて終わった状態で、何が起きたのかというのをミステリー作家:鹿谷とその担当編集者:江南が探っていくというストーリーである。
つまり本作はストーリー重視で書かれているのだが、そのストーリーはやや地味である。しかも、かなり多くの「ここは伏線ですからね」という部分が分かりやすい形で散りばめられており、メイントリックはこれだろうなというのもかなり序盤から予想出来るため、後はああ、やっぱりそうだなを繰り返し確認するような読書になる。
こうしてみるとつまらなく感じるのだが、実際はこのような仕掛けがいくつも張り巡らされているので、いったい一作品の中にいくつ叙述トリックが仕掛けられているのかが分からなくなってくる。
おそらく著者の意図としては、館シリーズも5作書いて、読者もある程度はあれこれと注意して読んでくるので、いったい難易度として気がつくレベルと気が付かないレベルが不明になってしまったのではないかと。それで、一度、レベル1からレベル5ぐらいの段階のものを散りばめておいて、どこまで気がつくものなのか試す。そんな意図が入っている気がした。
自分はまあ、すべての仕掛けというかトリックは解けたのであるが、人によって、ここまで分かった、ここには気が付かなかったというのが出てくるだろうというのも理解は出来る。
ただ、繰り返すがストーリーそのものは地味である。起きる事件に奇想天外さは無いし、それほど怪奇や恐怖趣味を誘うものではないので、純粋なマーダーミステリーを読みたい人にはオススメできない作品。
夜には読み終わり、それからメシ。鍋の残りを使って、辛味噌ラーメンを食べた。明日の読書に備えて早めに就寝する。